和風建築,新潟

  和風建築

我が国では,豊富な森林資源と地震が多く高温多湿な気候風土を背景に,揺れに強く調湿作用のある木の特性を生かして木造建築が発達してきました。そして,木の持つやわらかい風合いを上手く取り込んで自然との一体感を醸し出す和風建築には,日本人の美意識が凝縮されているともいわれています。しかし,近年生活様式の洋風化が進むにつれ,住宅における和室の割合が減少しています。鴨居,敷居,廻り縁などが和室のどの部分の名称かさえ分からない人も増えてきたのではないでしょうか。
 
天然木 木の家
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  和風建築2

木を建築に用いる場合にはほとんどの場合なんらかの加工がなされます。木のどの部分からどのような部材を取るかを決定し,鋸等を用いて切り出すことを製材木取りといいますが,和風建築に木を用いる上でも様々な工夫がなされてきました。日本のスギ,ヒノキなどの木には年輪がありますので,鋸の入れ方によっていろいろな木目が現れます。和室のデザインにおいては,これらの木目の組み合わせがじゅうようになります

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  和風建築3

面(床,壁,ふすまなど),点(部屋に対する障子,床の間に対する書画など)の組み合わせにより,木の素材感,美しさを生かしながらも一か所だけが目立つことのないような,調和の美が大切にされます

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  和風建築4

一方,木を素材のまま見えるように使ってきた和風建築においては,使用する部位ごとに化粧性とともに必要とされる性能があります。例えば,柱ならば見栄えがよいだけでなく屋根を支える耐力が必要なので,製材木取りにおいてはできるだけ節が表面に出ず,しかも木の中で強い部分を多く含み繊維が途中で切れないような配慮がなされます。また,図1に示すように木には木表と木裏があり,木は乾燥するに従って樹皮に近い木表側に反るので,年月が経つにつれて建て付けが悪くならないように,鴨居は木表を下向きに敷居は木表を上向きしてに使います。床板は木表を上向きにして使いますが,これには木表の方が色合いが濃く光沢があり化粧性にすぐれていることの他に,木裏は木目が立ち,歩きにくくなるという理由があります。
和風建築における木の使い方には,ただ丸い木を四角くするというだけでなく,経験的に得られた先人達の知恵を見ることができます。時代は変わっても,木の文化ともいわれる和風建築の良さはいつまでも受け継いでいきたいものです。

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  和風建築・日本の住宅の歴史

日本の住宅は近年までほとんどが木造で、畳のある部屋(和室)が中心であったが、第二次世界大戦後の急速な生活スタイルの変化により、現在は鉄筋コンクリート造の住宅(戸建て、集合住宅)も多くなり、和室を造らない場合も多くなってきている。

原始・古代(竪穴住居、高床式住居)
平安時代には貴族の住まいとして寝殿造が成立した。庶民の住居は相変わらず竪穴住居が主流であった。
鎌倉時代の武士の住まいは武家造と呼ばれることもあるが、今日では寝殿造を簡略化したものと考えられている。
今日の和風住宅の原型が成立したのは室町時代である。足利義満の邸宅はまだ寝殿造の面影を留めていたが、いわゆる東山文化の時代、応仁の乱前後の足利義政の邸宅になると、初期の書院造と呼ばれるものになる。畳を敷き詰め、障子戸を用い、床の間などの座敷飾りが造られるようになった。
中世の絵巻物などに見る庶民の町屋はまだ非常に簡素なものが多かった。
織田信長による天下統一は、住宅史上も画期になったと考えられる。信長の安土城や、秀吉の大坂城などにおいて身分の序列を著し権力者の威厳を示すため、書院造が完成した。家臣は城下町に住むよう命じられ、狩野永徳の洛中洛外図屏風などから、都市建築(町屋、武家屋敷など)も発達してきたことが伺える。
上層の住まいとして書院造が定着し、江戸時代以降、茶室の要素を採り入れたいわゆる数寄屋造りの住宅も造られるようになった。

天然木について
床材 ムク


  和風建築・歴史2

江戸時代に入ると、庶民の住宅も次第に発達していった。大まかに言えば、関西の住宅の方が質が高く、次第に関東にも広まっていった。近世初期、関東で一般的な農民の住まいは、土間に囲炉裏を作り、床にむしろなどを敷くようなものも多かった。工法も掘立柱を立て、茅で屋根や壁を葺くものであった。
農家も次第に発展し、土間を台所や作業場などに使い、床を造り食事や就寝のための部屋が造られていった。工法も礎石の上に柱を据え、梁を複雑に組み合わせて造るように変わり、高い技能を持った職人が建設するものになった。ただし、土壁や茅葺屋根は家族や集落の仲間と共同で造ることも多かった。江戸時代後期以降、「田の字型」の間取りが広く普及していった。この間取りは結婚、葬儀など人が集まる行事に使うことを意識したもので、用途に合わせてふすまを開け閉めして用いた。今日、伝統的な民家として民家園などに保存されているものは、「田の字型」のタイプが多い。
江戸時代には贅沢を諌めるため、床の間や瓦葺屋根などは制限されていた。武士の住まいでは、式台、床の間が許され、農家でも名主クラスだと床の間が許される、といったように身分による統制が行われていた。
明治時代になると建築に関する封建的な規制もなくなり、資力に応じて住宅を造るようになった。西洋建築の技術にも刺激され、大工道具の質も上がり、職人の交流も活発になったことなどで、建築の質は全体に向上していった。明治時代に洋風の住宅(西洋館)に住むのは、政治家、実業家などごく限られた階層の一部の者であり、ほとんどは和風住宅であった。
大正時代以降、サラリーマン、都市知識人らが洋風の生活に憧れ、一部洋風を採り入れた和洋折衷の文化住宅が都市郊外に多く造られた。しかし、家の中では靴を脱ぎ、畳でくつろぐといった生活スタイル自体はほとんど変わらなかった。
第二次世界大戦後、住宅難の中で公団住宅など、大量供給型の住宅が造られた。ダイニング・キッチンなどが新たに工夫された。
かつては床の間のない家はほとんど考えられなかったが、今日では洋風の住まいが普及し、和室のない家が増え、床の間のある家の方が珍しいほどになっている。また、かつての住宅は農家でも町屋でも、生業と結びついた職住一致のものが多かったが、現在は職住分離の方が主流になっている。

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